2008/01/06

MacwayのUSキーボードが最高と云われる理由(本章)

TEC PARTS Macway Keyboard ADB US Beige

 日本のTEC PARTS社製『Macway』キーボードは、巷ではメカニカル・スイッチ・キーが売りの様に捉えられていますが、確かに独Cherry(チェリー)社製程の耐久性も剛性も有りませんが、台湾産疑似ALPS製でもそう悪くはありません。
 しかし其れよりも僕は、キー配列こそがMacwayの真髄、そして其処から派生する正規のブラインド・タッチ、そしてグラフィック・ソフト等での片手打ちの優位性に有るのだと思っています。
 ベースになっているのはUSキー配列で、此をローマ字入力し易い様に改良されたのがMacwayと云う事に為るかと思います。
Macwayキーボードの特徴

 キー数は10(テン)キーやF(ファンクション)キーを合わせても僅か96キー、プラス、「POWER ON KEY(パワー・オン・キー)」一つ入れても全部で97キーしか有りません。
 因みに手元にあるThinPadのJISキー配列でも90キー有ります。勿論10キーは付いていません。
 USとJISの大きな違いは、其のキーの少なさと正しい(正規の)ホーム・ポジションを取れる事ですが、キーボードに指を置いて一番最初に触れるのが中指です。
 其の中指を置く位置を示す位置にポッチ(=突起)が有ります。
 JISキーボード(勿論、QWERTY配列)をお使いの方、手元のキーボードのアルファベット横三列のキー内、真ん中の列に有るポッチはどのアルファベット上に在るか確認してみてください。
 恐らく左側が「F」キーで、右側が「J」キーだと思います。
 実は此、自分は当初、USとJISの違いかと思っていましたが、どうやら最近のキーボードは国籍問わず、人差し指で探る事を前提に突起の位置が移動している様です。
 此はエルゴノミクス(人間工学)の傾向として、生理的アプローチ(中指)よりも心理的アプローチ(人差し指)が優先されているという事なのでしょう。
 従って左人差し指が「F」、右人差し指が「J」に触れる様に手を配置します。
 しかし此のポジションの概念であっても、JISに於いては小指が遠くなってしまいます。
 何故なら、JISキーボードの増えたキーは右側に詰めてあるからです。

 最近はドザーでも其の傾向にありますが、マカーは昔から全角英数字を殆ど使いません。
 何故なら、半角と全角の見た目の違いを目立ち難くするWindows系フォントとは対照的に、半角と全角をきっちり区別してデザインされている為、全角だと間延びして見栄えが悪いから誰も使おうとはしないのです。

 更に言えば、オールインワン・モデルのPerforma(パフォーマ)やG3シリーズが出る以前のMacでは、本体にキーボードが標準添付されておらず別売りでした。
 ですから、「自分で好きなキーボードを選べて、有り難迷惑な無駄な買い物をさせられずに済む」と喜ばれ、殆どの人はJISキー配列ではなく、シンプルなUSキー配列のキーボードを別途購入していました。

 皆さんも疑問に思ったこと有りませんか?
 何故みんなローマ字入力しか使っていないに、誰も全く使わない平仮名が刻印された日本語キーボードを何処のメーカでも標準装備しているのかと・・ホント無駄ですよね?
 誰も使わない、かな配列仕様の日本語キーボードを、わざわざ日本市場向けに生産しているんですから。
 少なくともハードウエアに関しては、日米共通仕様で全く問題無い筈です。

 話を戻しますが、つまりマカーは半角英数字を打つ際にどんな操作をしているのかというと、「ことえり」なり「ATOK」なりのFEP(=IM)の日本語入力モードの際、「Caps Lock」で半角英数入力を切り替え操作しています。
 早い話しが「Caps Lock」キーに「半角(小文字)/全角」キーを割り当てているのです。
 其の際、大文字を打ちたければ「Shift」キーを押しながら入力します。
 英字を打つ時は出だしだけ大文字というのが殆どのケースですが、「Shift」を押しながらではなく連続した大文字を打ちたい場合でも、「Command」と「Space」キーの同時押しで瞬時に日本語入力から英語入力モードに切り替えられるので、「Caps Lock」キーがONになっていれば、其の侭大文字の半角英字入力と成るので何の支障もありません。

 ですから、「半角/全角」キーといった嵩張る専用キーを配置せずとも、冒頭で述べた様に全角英数字を使わないマカーにとっては、日本語入力で不要になる「Caps Lock」が代用してくれればシンプルでスマートな入力が出来るわけです。
 否、最近ではドザーでもそうしている人は多いかもしれません。
Macway Caps Lockキー左下角配置 キー独立LED

 従って、手探りだけで直感的に押せる様に「Caps Lock」がキーボードの左下角に有ると、わざわざ指で集中的に押さなくても、「Caps Lock」を中心とする左下角周辺の「Shift」キーや「Option」キー等を巻き添いにしながら大雑把に手の平の小指の付け根の腹で触るだけで切り替えられるので、非常に使い易くなるわけです。
 そして「Caps Lock」のONとOFFを示すインジケータ・ランプは、キーから独立して右上に配置されているのがベスト。
 何故なら、キーの中に格好良くランプが収まっていても、自分の手が邪魔してしまって隠れて見えないからです。
 ましてや黄色や緑色のLEDでは周辺視野の視認性が極端に落ちます。

 次ぎに、「Delete(≒Back Space)」キーについて説明しましょう。
 大きいですよね?
 普通の日本語キーボードでは、英数字キー等と同じ様に正方形の小さなキーだと思います。
 殆どの人は、ミス・タイプを消す際に「イライラ」しながら探し当てて、ミス・タイプしない様に人差し指か中指だけ直角に曲げてツンツンと突っつく様に押します。
 此はキー数が増えてしまう日本語キーボードの定めで、ブラインド・タッチしようにも小指が届かない、と言うより最早小指で押すという性質のキーではなくなってしまっており、此ではミスる度にイライラが募るばかりです。
 大の大人が背を丸めて小さくて押し難いキーを探し出し押す樣は、子供の頃の自分にとっては実に滑稽な姿に見えました。
 でも、USキー配列ベースのMacwayの「Delete」キーなら、ブラインド・タッチは勿論の事、左右どちらの片手入力でも、イライラや怒りに委せて衝動的且つ直感的に中指と薬指で気兼ねなくガンガン叩き込めます。
 何故なら右上の角に横広に配置されている為、手探りでも容易に見付けられるからです。
Macwayキー配列比較

 次ぎに説明するのは、其の下に位置するキー「Return」です。
 普通の日本語キーボードでは、余った空間を広く取っただけの説明し辛い歪なキー形状をしていると思います。
 しかも、ブラインド・タッチで小指が届かない。
 では、USキーボードはどうかと言えば、「Shift」キーに似た長さがちょっと短い高さの無い形状をしています。
 此も凄く押し辛くミスし易いのですが、ブラインド・タッチでは普通に小指が届きます。
 其の日米両方の良いとこ取りをしたのが、此の左右逆L字型のキー形状なのです。
 おまけに括弧キー「[」「]」がちゃんと左右に列んでいて分かり易い。

 次ぎに、右側の「Shift」キーと其の下の左右方向の「←」「→」(左右カーソル)キーについてです。
 パソコンを余り使った事が無い人はこう思うでしょう。
 カーソル・キーは「十字型配置」か「⊥(逆T)字型配置」がベストであると。
 僕も十数年余り前はそう思っていました。
 そしてMacwayを買った際も「何じゃこりゃ、しまった!」と思いました。
Macway Shift&L字型配置Cursor

 僕は此の「L字型配置」をコスト・ダウンを狙った設計上の手抜きだと思っていました。
 所が日本語入力の頻度が増す度、其れが意図的に狙った物だと気付きました。
 其れは文節変換のし易さです。
 「Shift」キーを中指(又は人差し指)で押しながら、其れを軸にすると必然的に人差し指(又は親指)が「←」「→」キーの境界線に乗るのです。
 確かに、ゲーム等をする場合には不向きですが、まさかUSキーボードで日本語入力を想定しているとは想像も着きませんでした。流石日本メーカです。

 後は特別って程ではありませんが、「Space」キーの両隣に「Command(≒Alt)」キーが配置されている点です。
Macway Space Command



【関連記事】
 MacwayのUSキーボードが最高と云われる理由(序章)
 MacwayのUSキーボードが最高と云われる理由(最終章)


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Posted by Virtue at 19:36 | 静岡 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | Apple Macintosh
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