自動車や飛行機が好きな人なら流体力学の初歩的な事位わかると思うが、要は前面投影面積を減らす事が一番抵抗を減らしスピードアップに効果的なわけ。
特に水泳の場合は進行方向に対して垂直方向へ鈍角化し前面投影面積が拡大する平泳ぎに一番其の差が出るわけだが、全種目通して言えばて飛び込み時の着水進入角とバサロから水面へ出る時の浮上角度やターンの時が一番競技上で泳者の投影面積が大きくなるわけだ。
だから一番絞り易いウエストや脚部にパワーバンド入れてキツキツにスリム化させる。
後は整流化と姿勢安定化。
整流化はボディ形状の後端部を絞る事で、後ろへ強く巻き込む空気(気体)や水(液体)の流れ「ドラフト(Draft)」若しくは「スリップ・ストリーム(Slip stream)」による後ろへ引っぱる抵抗力「牽引抵抗力」を減らしたりするわけだが、水泳選手なら其れを泳法の改善や筋力トレーニングで肉体形状の改造したり、水着の締め付け率を部分的に変える事で肉体を変形させる。
つまり例えばさ、船が進んだ直ぐ後部の水面を見ると凹んでるでしょ?
見た事無い?
TVタックルは見た事あるよね?
確かそうだったと思うが、薩摩酒造『さつま白波』のCMで「変わらぬ願いがある 道の続きを行く〜セイリング いつかたどり着く〜セイリング 道なき路(みち)のうえ〜」(歌:大田黒裕司)って歌と共に船の後端の波をずっと流してるだけのCFあるじゃん?
あの凹んだ水面や波が抵抗になるわけ。
そう話すと中には「通過した後の波がどうなろうと関係ねーじゃん、何で抵抗になんだよ」と思う人も居るだろうけど、水面が凹むって事は落差の位置エネルギーが発生するわけで、つまり周囲の水を引き込んで其れを平らに戻そうとする復元力が働く。
だから船体が後ろへ吸い込まれようとするわけ。抵抗だろ?
当然此れは気流でも同じ事、水流程じゃないが。
だから其れを軽減させる為、流体がスムーズに流れ出る様に尻を絞ったり、ディフューザ(整流板)を設けたり、ボーテック・ジェネレータ(渦流発生突起物)を設けて整流する。
逆に競輪やF1の様に、後続者が其の引き込まれる力を利用しエネルギーを節約温存する駆け引きに使われたりもする。
話を戻すが、他にもボディ表面を平滑化させるコーティングや撥水加工や親水加工を施したり、又そうした材質で生地を作ったりする。
又逆に表面の一部分に無数の小さな突起やザラツキを意図的に持たせる事で微細な渦を発生させたり、或いは平滑面との差を利用し更に大きな渦を発生させる事で表面を流れる流体にベクトル(指向性)を持たせて積極的に整流化排水を促進させる方法がある。又、小さな渦は水圧差で気泡も発生させるので水と接触する面積を減らしたり浮力を与える事が出来る。
此れがサメの表皮の構造で、其れを利用したのが所謂、鮫肌水着だ。
そして安定化は、飛行機なら揚力、自動車ならダウンフォース、船(=水泳選手)なら浮力といった力と重力と巧くバランスさせる事で無駄な方向に掛かる抵抗力を減らし推進力をフルに発揮させる努力を費やす。
何れも目的は効率化に伴うスピードアップなのだが、飛行機ならミサイルの形状を見てわかる様に、翼自体が速く飛ぶ上で抵抗になるので実用域必要最小限迄面積を削る。
自動車ならレーシングカーのウイング調整を見るとわかるが、直線だけならあんなデカイ羽は抵抗になるので要らないわけだが、コーナリングでトラクションが掛からなくなるので其のギリギリの妥協点でセッティングする。
船ならバラスト調整で貨物とのバランスを取って浮力を安定させる。
此れが水泳選手の場合だと脂肪分を増やすわけだが、体重が重くなったり体積が増えたりするので筋力を上げ肉体も引き締めバランスさせる。
そして肝心の水着の話。
生地素材に軽量な物や気泡を充填し浮力を得たり、表面抵抗の話の時にしたザラツキ素材で飛び込み時に発生する大量の泡をキャッチして浮力を得る。
とまあ水着に関してはこんな感じだろう。
後強いて上げるなら動き易さや動きの補助的な機能が考えられる。
さて、日本の屑企業3社の水着が再リリースされたわけだが、ニュースでプレゼンを見た限りではアシックスが機能面で充実していてメーカの自信も一番伺えた。
で、ネットで詳しく調べてみると、アシックスだけが山本化学の素材を使っている模様。
http://sankei.jp.msn.com/sports/other/080530/oth0805302028011-n1.htm
ミズノ「姿勢保持型」、アシックス「山本化学採用」、デサント「スピード社型」国内3社が改良水着を提示 (1/2ページ)
2008.5.30 20:26
英スピード社の水着を着用した選手による世界記録更新が多発し、契約3社に水着の改善を要請していた日本水連は30日、ミズノ、アシックス、デサントの各社から、改良品の提示を受けた。今後、代表選手がスピード社製品と合わせて試着。要望があればスピード社製品の着用を認めるかを、6月10日の常務理事会で決定する。
4月に親水性素材を前面に出した水着を発表したミズノは、姿勢保持や体形補正にコンセプトを変更。胸部や背中を従来の2〜4倍の強度で締め付ける水着を提出した。
「体幹保持」に重点を置いた水着を発表していたアシックスは、体幹に加え、脚部の安定性を高めたものに改良。脚部にポリウレタン加工した素材を使用したタイプと、大阪市の複合特殊素材メーカー、山本化学工業から提供されたラバー製素材を使用したタイプの2種類を開発した。
またデサント社は、短距離用の1種類を含め、3種類を提出。要所にウレタンフィルムを張るなど、スピード社の「レーザーレーサー」(LR)に最も近い構造になっている。3種類のうち1種類では、山本化学工業の素材を使用している。
日本水連の佐野和夫専務理事は「この短期間によくぞここまでやっていただいたと評価している」と話した。
http://sankei.jp.msn.com/sports/other/080530/oth0805302028011-n2.htm
ミズノ「姿勢保持型」、アシックス「山本化学採用」、デサント「スピード社型」国内3社が改良水着を提示 (2/2ページ)
2008.5.30 20:26
■ミズノ 従来とまったく正反対といえるコンセプトの製品を提出した。新開発品は水着の締め付け度を上げて体の凹凸をなくすという「体形補正」で抵抗を削減。下半身には部分的に水をはじく「全撥水(はっすい)軽量素材」を採用し、軽量感を追求した。ターン時の実験記録はLRと同等で、動きやすさでは上回るという。
従来品は体を締め付けずに動きやすさを求め、カジキマグロのメカニズムを用いた、水と融合する親水性。全く違う選択肢を用意した形だ。新開発品の「体の締め付け」「撥水性」はスピード社製LRの特徴。「選手のニーズが広がったととらえ、従来品と合わせて提供する」と話す。
■アシックス 骨盤回りに高弾性のベルトを配置して安定させるという従来のコンセプトをそのままに、付加価値を付けた2種類を提出した。他2社に比べ従来路線を守ったかたちだ。
やはりLRを連想させる締め付けの強い素材を新たに用いて、脚まわりの推進力を増大。百メートル自由形で0・5秒短縮の可能性があるという。固定力と復元力を評価して、山本化学工業の素材「バイオラバースイム」も、最大で生地全体の30%に用いた。
■デサント 3タイプを提出。従来「国際水泳連盟(FINA)のルールに抵触すると考えていた」ウレタンフィルムを採用した。縫い目がないなどLRの強みとされる特徴を取り入れ、LRより軽量という。3種類は織物の使用による軽量化や、一枚布で完成させることで動きやすくするなど差別化を図った。
規制があることから躊躇(ちゅうちょ)していた「表面加工」にも、LRが承認を受けたことで大きく踏み込んだと説明している。
此れじゃあスピード社に劣ってる。
何れも一長一短で「3社で共同開発すれば良かったんじゃね?」と思ったよ。
だって結局、ミズノとアシックスは「体形補正タイプだけど縫い目が消せませんでした」って事だろ?
一方デサントは「縫い目は無いけど体形補正が出来ませんでした」ってオチ、スピード社より軽量化出来たのも其の所為だろう。
やっぱダメじゃん、縫製技術で劣ってる証明をしている。否、抑も縫製と言っていい物か、Gガンダムみたいに作りながら着るのかな?w
もうねいっそうの事、F1やWRCみたいにコンストラクターズ(=メイクス)・チャンピオンで勝敗を決めろと。
選手は被験者とかデヴァイサーでいいよ。
其れが否なら裸で泳げ、スポンサが付く様に体にマジックでロゴ描いてなw
たぶんチンコとオッパイが小さい日本人なら勝てると思うぞww
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